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【パブリックプログラム】ゲストトーク【思考と感性を拓く3つの鍵】を開催2019.10.18

※パブリックプログラムとは、「岡山芸術交流」が地域に開かれ、根ざし、持続・発展することを主旨目的に、岡山内外の人・場所・文化資産の3つのポテンシャルを活かした様々な企画です。

アートとは「社会を映す鏡」と言われています。今を生きるアーティストによる表現は、同時代性を色濃く反映した感性や知性、情報や技術に依るところが大きいです。それらを読み解く鍵としては“さまざまな現代”を探ることも有効ですが、もっと大きな流れ、つまり世界や人類や生物史に関する考察も重要です。そこでゲストトークでは、考古科学、進化生物学、文化人類学の3つの分野の専門家をお招きします。個々の“研究眼”という鍵を手がかりに、岡山芸術交流を多角的な観点で捉えるための思考や感性を拓く機会をご堪能ください。

 

1、【考古科学編】「古代オリエント」から知る都市の成り立ち

考古科学編では、不幸にも、考古学研究に必要な情報を喪失した古代ガラスを「寡黙な美人」に例える、オリエント美術館学芸員の四角隆二さんをゲストにお迎えします。
約5千年前、オリエント地域の都市で最古の文明が誕生しました。都市出現に貢献した金や銀、銅などと異なり、都市成立後の社会が生み出した人工物質ガラスは、「都市を映す鏡」ととらえることも可能です。先端科学や分析化学との学際研究で聞こえてきた「寡黙な美人の声」と、都市の展開を整理し、オリエント専門美術館に最先端アートが展示される意味を考えてみませんか?

ゲスト:四角隆二(考古学者、岡山市立オリエント美術館副主査学芸員)
日時:10月27日(日)14:00〜15:30
場所:岡山市立オリエント美術館 地下講堂(岡山市北区天神町9-31)
定員:30名(事前申込優先)
参加費:無料

 

2、【進化生物学編】昆虫の生き残り術に習う創造的想像力

進化生物学編では、著書『生命の不思議に挑んだ科学者たち』や『「先送り」は生物学的に正しい 究極の生き残る技術』などにおいて、昆虫を材料とした行動生態学・進化生物学の研究を紹介する、岡山大学の宮竹貴久さんをゲストにお迎えします。生物が地球上に誕生して以来、長い時間を経て変化・展開してきた仕組みを説き明かす“ダーウィンの進化論”にはじまり、昆虫の“死んだふり”や“繁殖戦略”といった究極の生残り術は実に様々です。私たち以外の生物から多様性を知ることで、私たち自身のあり方を見つめ、他者への想像力を広げてみませんか?

ゲスト:宮竹貴久(岡山大学環境生命科学研究科教授)
日時:11月3日(日)16:30〜18:00
場所:サウダーヂな夜(岡山市北区天神町10-16)
定員:35名(事前申込優先)
参加費:無料、但しワンドリンク制

 

3、【文化人類学編】「野生の思考」でアートをみる:自然・芸術・科学

文化人類学編では、著書『うしろめたさの人類学』や『文化人類学の思考法』などにおいて、この世界の成立ちについて向き合い、私たちの“あたりまえの外へ”と誘う、気鋭の研究者である、岡山大学の松村圭一郎さんをゲストにお迎えします。20世紀の現代思想に大きな影響を与えた文化人類学者レヴィ=ストロースは、『野生の思考』で、芸術と科学には人類共通の欲求がみられると指摘しています。自然と文化の関係の探究を続け、蛇にまつわる神話の分析でも知られるレヴィ=ストロースの思想から、現代美術を読み解くヒントを見つけてみませんか?

ゲスト:松村圭一郎(岡山大学文学部准教授)
日時:11月14日(木)19:00〜20:30
場所:奉還町4丁目ラウンジ・カド(岡山市北区奉還町4丁目7-22)
定員:35名(事前申込優先)
参加費:無料、但しワンドリンク制

 

〈ゲストプロフィール〉

四角隆二(考古学者、岡山市立オリエント美術館副主査学芸員)

2002年3月青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程中退、2002年4月より岡山市立オリエント美術館学芸員として勤務。専門は西アジア考古学。主な関心は、鉄器時代におけるパイロテクノロジー(火を使った技術)の進展と社会変容の実態解明。近年ではサーサーン・ガラスに関する考古学上の問題解明にも取り組み、放射光科学者や分析化学者などと共同で「寡黙な美人」の声に耳をそばだてている。

宮竹貴久(岡山大学環境生命科学研究科教授)

1962年大阪府生まれ。健全な昆虫少年から沖縄へ、琉球大学大学院農学研究科修了後、沖縄県職員とし
て10年以上働きウリミバエの根絶の研究に取り組み、現在は昆虫や小動物の行動・生態・進化について
研究を続ける。著書・編著に『したがるオスと嫌がるメスの生物学』(集英社新書)、『生命の不思議
に挑んだ科学者たち』(山川出版社)、『「先送り」は生物学的に正しい 究極の生き残る技術』(講談
社+α新書)、『恋するオスが進化する』(KADOKAWA新書)など。昆虫学土曜セミナー世話人。

松村圭一郎(岡山大学文学部准教授)

文化人類学者。エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを行い、富の所有と分配、貧困や開発援助などについて研究。エチオピアから中東への海外出稼ぎ女性の映像を撮り続ける。『所有と分配の人類学』(世界思想社)で発展途上国研究奨励賞(2009)・澁澤賞(2010)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社)で毎日出版文化賞特別賞(2018)を受賞。その他の著書・編著に『基本の30冊 文化人類学』(人文書院)、『文化人類学の思考法』(世界思想社)など。

 

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岡山芸術交流2019パブリックプログラムとは?
「岡山芸術交流」が地域に開かれ、根ざし、持続・発展していくための“人や場所の発掘と関係性の構築”、“文化資産の活用と発信”を目的としたプログラム。2016年に築いた人や場所との関係を深化・発展するとともに、岡山内外の人・場所・文化資産の3つのポテンシャルを活かし、それぞれとの連携・協働プログラムを開発します。

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